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伊フィアットグループは、2009年の年末からイタリアのテレビ各局を通じて、クリスマスと新年祝賀を兼ねたコマーシャルフィルムを放映している。

「偉大な2010年、おめでとう」と題したこのCMは45秒。「すべては大きな夢から始まった。英知を結集し、人と環境に向けて車を造り……」といったナレーションで始まる。前半は歴史フィルムで構成され、創業当初の工場風景や戦前を代表するモデル『バリッラ』などが登場したあと、元祖フィアット『500』の新車当時の記録フィルムが続く。

後半は現行500がニューヨークを走る風景で綴られている。とくに解説はないが、2010年がフィアットグループ系モデルのアメリカ本格復帰元年になる可能性を匂わせていると思われる。

挿入歌はイタリアのカンツォーネ歌手アメデオ・ミンギ(1947 -)によるものだ。彼の1983年サンレモ音楽祭参加曲『1950』をベースにした替え歌である。「空に向かってサンルーフを開ける。(フィアット)500を君のために買った」といったCM用スペシャル歌詞が流れる。

「海に向かって500を走らせて」というフレーズも、原曲の「ベスパを走らせて」という歌詞をモディファイしたものだ。ただし、「大洋を越えて」という歌詞は原曲のまま。そこで前述のニューヨークを走る500の風景に切り変わるという、凝った演出だ。

エンディングでは、まずフェラーリ、マセラティも含む乗用車7ブランドのマークが現れる。それに続く関連会社11社のマークの中には、フィアットの建機・農機部門CNHと提携している神戸製鋼系のコベルコ建機も含まれている。

このCM、イタリアのフィアット・ファンからは大好評のようだ。イタリアのインターネットサイトには「あのCM曲は、誰の何というタイトル?」といった、若者によると思われる書き込みが目立つ。

また、動画共有サイトのアクセス数はすでに1万1500回を超え、「イタリア人であること、フィアット・オーナーであることに誇りを感じる」といった書き込みが見られる。(レスポンス)
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