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フィアット・オートモビルズは8月31日、9月17日から一般公開されるフランクフルトモーターショーで、フィアット『プントEVO』を展示すると発表した。



EVOは、2005年に登場し4年が経過したグランデプントの事実上の後期型とみることもできるが、現行ではバリエーションは限られていることから、EVO投入後も当面はグランデプントを併売すると思われる。いっぽうで、欧州市場では先代の2代目プントも「クラシック」の愛称で継続販売されている。したがってユーザーはしばらくの間“プント3姉妹”から選べることになる。



外観はフィアット・スタイリングセンターが大幅に手を加えている。たとえばフロントグリルには、新型『500』で採用された元祖「500」をモティーフにした「髭」バーが与えられている。リアバンパーにもガーニッシュが加えられているほか、テールゲートには「PUNTO EVO」のバッジが加えられている。さらにサイドには、従来のグランデプントになかったプロテクションモールが追加されている。
従来よりも、全長のみ10mm伸びている。内装もインパネやシートが一新され、クオリティが引き上げられた。

そうしたフィアット流モディファイを効かせたこともあり、従来の『グランデプント』に貼られていたジウジアーロのデザインを示すバッジは外されている。



エンジンはガソリン1、ディーゼル1の2ユニットで、いずれも新ユニットだ。アイドリングストップ機能の「スタート&ストップ」を導入するなどして、排出ガス性能はユーロ5に適合させた。

ガソリンは、フィアットが6月15日に発表した新エンジン、「マルチエア」を搭載。1.4リットル直4は、電子制御油圧バルブが開閉タイミングとリフト量を制御し、トヨタの「バルブマチック」やBMWの「バルブトロニック」などと同様に、スロットルバルブを使わずに、吸排気バルブをコントロールするのが特徴だ。

最大出力は105ps(NA)と135ps(ターボ)の2種類。同排気量のガソリンエンジンと比較して、パワーは最大10%、トルクは最大15%、燃費は最大10%向上。CO2排出量は最大10%低減させた。PM(パーティキュレート)は最大40%、NOxは最大60%も削減する。

1.3リットル直4ディーゼルの「マルチジェット」は、2世代目に進化。新コモンレールインジェクションや油圧サーボバルブなどを採用して、燃費やCO2を約2%改善。NOxは最大30%減らした。

また、フィアットはメタンガスとLPG(液化石油ガス)対応車も設定。メタンガス対応車は、CO2排出量が115g/kmで、100km走行して4ユーロ(約540円)という燃料代の安さが魅力。さらに、購入時にはイタリア政府から5000ユーロ(約68万円)の助成が受けられる。

LPG対応車は、1回の燃料充填で最大1500km走行できる足の長さを誇る。フィアットの試算によると、ガソリン車と比較して、維持費は約50%節約できるという。

全車が今回のマイナーチェンジを機に、7エアバッグを標準装備。とくに運転席のニーエアバッグは、同クラスで標準採用した例は少ない。アダプティブコーナリングフォグライト、「ヒルホールダー」などの安全装備も充実した。

プントエボは、9月15日に開幕するフランクフルトモーターショーで正式発表。欧州では10月後半に販売がスタートする。多くの「エボ」を冠したモデルの中でも、環境性能をエボリューションさせたモデルといえる。

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