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英国のUKIPメディア&イベント社は23日、「ベストニューエンジンオブ2010」を発表した。フィアットが開発したアルファロメオの1.4リットル直列4気筒ターボ「マルチエア」が選ばれた。

エンジンオブザイヤーはクルマの心臓部、エンジンに着目して優れたエンジンを選出するもので、今年が12回目。6月23日時点で少なくとも世界1か国以上で販売されている車種のエンジンを対象に、世界32か国65名のジャーナリストが投票を行って選出。その部門賞のベストニューエンジンは、2009年4月から2010年3月までに登場した新エンジンの中から、とくに画期的な技術を採用したエンジンに贈られる。

ベストニューエンジンオブ2010の結果は以下の通り。

1:フィアットの1.4リットル直4ターボ「マルチエア」(228点)…アルファロメオMiToとジュリエッタ
2:フェラーリの4.5リットルV8(200点)…458イタリア
3:VWの1.2リットル直4ターボ「TSI」(134点)…ポロやゴルフなど
4:メルセデスベンツの3.5リットルV6+モーター(76点)…Sクラスハイブリッド
5:VWの3.0リットルV6スーパーチャージャー+モーター(71点)…トゥアレグハイブリッド
6:BMWの4.4リットルV8ツインターボ(68点)…X5MとX6M

フィアットグループの新世代ユニット、マルチエアがベストニューエンジンに輝いた。マルチエアは、2009年6月に発表。電子制御油圧バルブが開閉タイミングとリフト量を制御し、トヨタの「バルブマチック」やBMWの「バルブトロニック」などと同様に、スロットルバルブを使わずに、吸排気バルブをコントロールするのが特徴だ。

マルチエアの1.4リットル直4ガソリンエンジンは、最大出力が105ps(NA)、135ps(ターボ)、170ps(ターボ)の3仕様を用意。フィアットによると、同排気量のガソリンエンジンと比較して、パワーは最大10%、トルクは最大15%、燃費は最大10%向上。CO2排出量は最大10%低減。PM(粒子状物質)は最大40%、NOx(窒素酸化物)は最大60%も削減する効果があるという。

受賞した170psターボユニットは、パフォーマンスと燃費やCO2排出量を、高次元でバランスさせた点が評価された。同ユニットはアルファロメオの『MiTo』と『ジュリエッタ』、フィアット『プントエボアバルト』(165ps仕様)に先行搭載。フィアットはグループ各車に、マルチエアを拡大搭載していく計画である。フェラーリ『458イタリア』を抑えての受賞は、価値があるといえそうだ。(レスポンス)
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